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闇のコピー屋さん [お気楽台湾生活]

 

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映画「PLASTIC CITY」で、コピー商品をつくらせている工場を見回りに行ったキリンが、

「ラベルがさかさまじゃないかっ」と怒鳴るシーンがありました。

「ラベルがさかさま」「似て否なるロゴ」「70元のゲームソフト」 

台北のなつかしい思い出が次々によみがえってきました。

 

当時おみやげにとたのまれて、

市内にあるA級のぱちもん(コピー商品)屋さんに何度か行ったことがあります。

A級とかスーパーコピーとかよばれていて、ちょっと見には わからないほどよくできていました。

もちろん手に取ったらすぐバレてしまいますが、

市場で売ってるようなのとは明らかに一線を画していました。

ヴィトン、エルメス、シャネル、プラダ、ロレックスなど人気のブランドのバッグや時計が、

本物よりはるかにはるかに安い値段で買えるので、

おみやげに普段使いにと、台北在住の日本人には人気でした。

 

なにしろ 闇の商売 ですから、あらかじめ電話をかけ、誰々の紹介と言って、行く日と時間を決めます。

当日はまず、とある古いマンションへ。

エレベーターの中も廊下もかなり薄暗く、ちょっとドキドキしながら指定された番号のドアを見つけます。

ブザーを押し、中の人に電話したことを伝えると、同じマンションの別の場所へ案内してくれます。

お店といってもきれいにディスプレイされているわけでもなく、見やすいように並べたという程度ですが、

応対はていねいです。

別のが見たいというと、ゴミ袋みたいな黒い(あるいはピンクの)大きな袋からいろいろ出してくれました。

商品だけでなく、箱や布袋まで本物そっくりにつくられていてびっくり。

 

今思い返しても すご~く恥ずかしい ことですが、

ふだんブランドものに興味がないひとでも、

その場にいくと「何か買わなくちゃ損」みたいなかんじになってしまうのです。

でも似ているように見えてもやはり値段なりの品質ですから、すぐこわれたり、よれよれになったりして、

結局1年ぐらいで捨ててしまいました。

 

商売のためにたくさん買っていくプロもいると聞きましたが、

日本に持って帰ってもブランド好きならにせものとすぐわかるでしょう。

お客さんはそれとわかってて買うんでしょうか?

もう行くこともないので、とっくに名刺は処分してしまいましたが、

警察の目をくらますため、場所もよくかえていたみたいです。

最後に行ったのは4年前ぐらいですから、今行ってもあるかどうか。

 

ぱちもんにかぎらず、路上に無許可でひらいてるお店はたくさんありました。

買い物の途中でも、「警察が来る!」と誰かがさけぶと、

あっというまに商品をたたんでどこかへ消えてしまい、

またしばらくたつとお店が並んでいるのです。

ビルの1階にあるようなきちんとした店構えでも、

次に行ったらもうなくなってたなんてことはしょっちゅうでした。

 

台北の街はどんどんきれいになって、便利になって、それはそれでうれしいことですが、

一方で思い出の風景も少しづつなくなってちょっぴりさびしい気もします。


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