細田さんの漆器 [地元の話題]
細田さんの漆器との出会いは3年ほど前になります。
静岡で3年に一度開かれている「世界お茶まつり」の会場に出店をされていて、
私はそのとき曲げ物のお盆がとても気に入りました。
角がすべて丸みを帯びたかわいらしいかたちと、細田さんのお人柄にひかれての買い物でした。
そして最近になって、せっかく静岡県に住んでいるのだから駿河漆器を買おうと思い立ち、
先日、細田さんのお仕事場を訪ねることにしました。
漆職人細田豊さんは、おじいさんに漆器塗装を習い三代目を継いでいらっしゃいます。
一般の漆器とちがうところは、
「曲げ物」といってヒノキの薄い板を曲げて自ら木地をつくり、その上に漆を塗って仕上げます。
日常に漆器を使ってそのよさを知って欲しいということで、
お弁当箱や小物入れ、お盆などを主につくっていらっしゃいます。
またお仕事のほかにも、
若いひとたちに技術を伝えたり、日曜日にはカルチャーセンターで一般の方を指導されたりと、
お忙しい毎日ですが、それをとても楽しんでいらっしゃるように見えます。
息子さんはサラリーマンだそうですが、合間に新しいデザインを考えては試作されているようです。
作業場には、まだ製作途中のものがたくさんありました。
蓋の上に桜や梅をかたどったデサインで、ちいさく螺鈿(らでん)細工をほどこしてあるものもあり、あれもこれもほしくなります。
まあるくかわいらしく、またおしつけがましいところがない作品ばかりで、たいへん失礼ながら細田さんのお人柄がにじみでているような。
曲げ物に使うヒノキはゆっくり時間をかけて育ったものはやわらかくて扱いやすく、日当たりが良すぎる場所では成長がはやく、硬くなってしまうそうです。
木目がまっすぐにきれいにとおった板をとるには樹齢60~70年たった木でないとだめだそうです。
漆は下塗りを4回かけ、それから最後に仕上げの漆をぬります。
下塗り用の漆
木目のきれいなものはそれを生かすために漆を薄くぬります。(私が買ったお盆がそうです)
塗るたびに棚に並べて乾燥させます
私のようなものにも大変気さくにおはなししてくださり、いごごちが良くてつい長居してしまいました。二段重ねのお重箱をお願いして、お仕事場を後にしました。
細田さん お忙しいのにおつきあいくださってありがとうございました。
出来上がるのはいつでしょう。とてもとても待ち遠しいです。
おまけ
磐田に住んで(途中抜けてますが)トータルで20年になります。それなのにいまだに長~い旅に出ているような気分で、ちっとも静岡県の事を知らなかったなと残念でなりません。
今年は他県のかたに静岡や磐田のよさを少しでもお伝えできればいいなー となんとなく思っています。例によって行きあたりばったりでふらふらしながらですけど。
こんばんは~(^^)
池袋はここからだとちょっと遠いですけれど、いつか切り絵に挑戦してみたいです。
>ヒノキはゆっくり時間をかけて育ったものはやわらかくて扱いやすく
人間も同じじゃないかなぁと、なんとなく思いました。
その土地で、ゆっくり時間をかけて、人として成長できたらと。
その土地によって風土が違って、そのよさもだんだん身についていくのかなと思います。
東名から地名を見つけて、なんだかうれしかったですよ。
by KAORU (2010-01-26 22:00)
すてきな器ですね。私もひところ、曲げわっぱにはまって、お弁当箱などを購入したことがありますが、とっても高級感のある器で、写真に見とれてしまいました。
先生もそうですが、自分の持っている技術を人に伝えることをされていらっしゃる方は、本当に素晴らしいと思います。なかなかできないことですね。
近くでしたら、見に行ってみたいな~と思うくらいです。
こういういいものが、後世にずっと残ってほしいですね。
by みや (2010-01-27 00:21)
コリンママさん
nice!をありがとうございます。
コリンちゃんのたるみはみんなを癒してくれるからno problemですよね。
KAORUさん
そうそう。我が子もゆっくり待ちながら育てればよかったんだけどね。
細田さんはすごーくやわらかくてすてきなおじさんでした。
みやさん
高級感があるのに気取りがないところが魅力です。毎日使ってそして長く伝えていって欲しいという作者の気持ちがこもっています。古びたら塗りなおしもしてもらえますよ。
by cinnamon-cardamon (2010-01-27 14:26)